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東京地方裁判所 昭和47年(借チ)19号 決定

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔主文〕1 別紙目録記載の土地賃貸借契約の目的を堅固建物所有に変更する。

2 右土地賃貸借契約の借地期間を本裁判確定の日から三〇年に、賃料を本裁判確定の月の翌月分から3.3平方米当り月額一〇八円にそれぞれ改める。

3 申立人は、相手方に対し、金六、三七四、〇〇〇円を支払え。

〔決定理由〕一 本件の資料によれば、……本件土地附近は、準防火地域、準工業地域の指定を受け、旧川越街道に面して建物の高層化が進められていることが認められるので、本件申立はこれを認容すべきである。

二 附随処分

申立人は、本件借地条件変更の裁判を受けて堅固な建物を築造することにより、本件土地のより有効な利用を図ることができ、その継続的、安定的な利用を保障されるという利益を得る反面、相手方らは、存続期間満了又は地上建物の朽廃による借地権消滅の期待を半永久的に失うという不利益を受けることとなる。よつて、当事者間の利害の調整を図るため、申立人に財産上の給付を命ずべきである。ところで、借地条件変更にともなう借地人の前記のような利益(反面賃貸人の不利益)は、借地権価格に反映し、変更前後の借地権価格の差を求めることにより、右額の算出が可能となる。

鑑定委員会は、本件土地の更地価格を3.3平方米当り五五万円合計五三、一一八、〇〇〇円と評価し、非堅固建物所有を目的とする借地権の価格は右更地価格の七〇%、堅固建物所有を目的とする借地権の価格は右更地価格の八二%、したがつて、借地条件変更前後の借地権価格の差は一二%であるから、財産上の給付額は本件土地の更地価格五三、一一八、〇〇〇円の一二%に当る六、三七四、〇〇〇円をもつて相当とする旨の意見書を提出した。

当裁判所は、右鑑定委員会の意見を相当と認めるので本件財産上の給付額を六、三七四、〇〇〇円と定める。

なお、相手方らは右鑑定委員会の意見による給付額は低廉に過ぎると主張し、不動産鑑定士一瀬忠作成の調査報告書と題する財産上の給付額についての鑑定意見書を提出した。そして、右鑑定意見書によれば、借地条件変更による財産上の給付額は、借地権価格の増加分のほかに借地の効用増加分および更新料相当額をプラスした額とすべきものとしている。しかしながら、借地の効用、期間の長短等はいずれも借地権価格の構成要素であり、効用が増力し、期間が延長されるからこそ、これが借地権価格に反映して価格が上昇するのであり、借地条件更変前後の借地権価格の差額のほかに効用増分あるいは期間延長の対価と考えられる更新料を支払わせることは借地人に二重の不利益を課することとなるので、右主張は採用できない。

本件借地条件変更にともない、借地期間を本裁判確定の日から三〇年に、賃料を鑑定委員会の意見に従い、本裁判確定の月の翌月分から3.3平方米当り月額一〇八円にそれぞれ改める。

(河村直樹)

目録

(借地契約の内容)

1 目的土地 東京都練馬区北町二丁目三四〇番

宅地 六〇八、二六平方米のうち 三一八、七一平方米

2 当事者 賃貸人 相手方ら

賃借人 申立人

3 目的 非堅固建物所有

4 期間 昭和三六年四月二一日から二〇年

5 地代 三、三平方米当り月額九〇円

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